NEDOプロジェクト※から生まれた、世界最高水準のシミュレーション・コード

JSCASTは、NEDOの予算を用いたプロジェクトで、産官学連携のもとに開発した革新的な鋳造方案シミュレーションソフトを基にアイ・イー・ソリューション株式会社・クオリカ株式会社・Multiflow社（カナダ）、が協力して発展させた、高精度な物性値データ、豊富な検証実験データに裏づけられた高速・高精度な世界最高水準のシミュレーション・コードです。
スプリング8や、高速カメラを搭載したX線による直接観察との検証がなされているのが大きな特色です。

現在、アイ・イー・ソリューション株式会社・Multiflow社（カナダ）が主にソルバーの開発を、クオリカ株式会社が主にプリ・およびポスト・プロセッサーを担当。また販売・サポートはクオリカ株式会社が行っています。

※NEDOプロジェクトとは…
通産省による、新エネルギー・産業技術総合開発機構のこと。新規産業創出型産業科学技術研究開発事業「革新的鋳造シミュレーション技術開発」（平成11-14年度、1999年～2002年）が行われ、プロジェクトリーダーに大阪大学 大中逸雄教授、サブリーダーに野城清教授を迎え、北海道大学・東京大学・クオリカ株式会社・株式会社石川島播磨重工業・株式会社クボタ・川崎重工業株式会社・石川島システムテクノロジー株式会社（順不同）などが参加。
鋳造過程のシミュレーション技術の確立を図り、鋳造における生産性向上・低コスト化・開発期間の短縮化・高品質化などを実現し、鋳造産業の振興に資することを目的として、シミュレーションや物性値測定などに関する研究・開発が実施されました。

用語解説

●プリ・プロセッサー 形状創性・要素分割・物性値・境界条件・初期条件などを入力する部分と、物性値データベースから構成された準備部分を担う、ソフト内役割分類の1つ。

●ポスト・プロセッサー ソルバーで計算した結果をディスプレイ上に表示したり、結果をプリンターに送る部分を担う、ソフト内役割分類の1つ。

●ソルバー 入力データを基に、湯流れや凝固・鋳造欠陥などを計算する部分を担う、ソフト内役割分類の1つ。
またソルバーには種類があり、下記のようなものが挙げられます。

• ①湯流れシミュレーション

  直交要素および曲面対応規則・不規則要素に対応。表面張力を考慮することも可能。

• ②凝固シミュレーション

  凝固の進行に伴う温度・固相率の変化、および引巣パラメータを計算。

• ③球状黒鉛鋳鉄シミュレーション

  黒鉛成長と膨張を考慮して温度変化やひけ巣を定量的に推定。

• ④ガス巻き込みシミュレーション

  鋳型からのガスの逃げを考慮し、湯流れ時のガス巻き込みを推定。

この他にも、ダイカストのスリーブ内の流動、消失模型鋳造のシミュレーションなど、種々なソルバが存在します。